うりんこ劇場

妖精ソフィー
妖精ジィージ
妖精バァーバ

舞台美術・監督
照   明
照明オペ
音   響
衣   裳
小 道 具
宣伝美術
印刷協力
企画制作

OMOTO
安藤昇益
平野行俊
細川ひろめ(マナコ・プロジェクト)
石垣帆乃香
石垣帆乃香
OMOTO
木野瀬印刷(株)
パオ カンパニー

〜上演パンフレットより〜
〜オスマン・ボウと野口先生〜

 私たち夫婦には、娘が1人と、実は息子が2人います。
彼らの名前はスティーブン・ジェームスとオスマン・ボウ。
名前からも分かるように、もちろん実子ではありませんが、ある出会いから私たちのことを、お父さん、お母さんと呼んでくれるようになりました。
 スティーブンはガーナ生まれで、オスマンはジャマイカ生まれ、彼らの皮膚の色は黒色をしています。
 彼らとの付き合いは、もう11年になりますが、以前住んでいた家の近くにある小さなスーパーで、スティーブンと出会ったことから始まりました。私が買い物をした物を袋に入れていたら、私よりも少し先に買い物を済ませていたスティーブンが隣にいて、私の顔を見てニッコリ笑い、「コンニチワ!」と声をかけたのです。歯並びのいい真っ白な歯と、まっすぐな目がとても印象的でした。その言葉をきっかけに、住まいが近くだったこともあり、彼らと私たち家族との付き合いが始まりました。オスマン・ボウはスティーブンのルームメイトで来日したばかり。彼よりも10歳近く年少の、当時はまだ19歳の少年でした。スティーブンは来日してまだ3年くらいしか経っていないのに、とても日本語が上手で、英語がまったく駄目だった私たちは、スティーブンの日本語と辞書を頼ってコミュニケーションをとりました。
 一緒にクリスマスやお正月を過ごし、ひな祭りもやりました。そんな時々で、彼らの純に他人(ひと)を思う気持ちに、何度心を打たれたか知れません。スティーブンは5年前にガーナに帰り、オスマンも今は千葉に住んでいるので、なかなか会うことができませんが、一月に一度は必ず電話をかけてきてくれ、昨年の公演は遥々千葉から観に来てくれました。
 そんなオスマンから8月のある日、こんな電話をもらったのです。いつものように私たちに変わりがないかを心配してくれた後、「お母さん、昨日、野口先生のところに行って来ました。」と言ったのです。私は思わず、「野口先生って?」と訊ねてしまいました。すると彼は、「野口英世先生です。先生の故郷福島県に行ってきました。」と言うのです。ジャマイカ生まれのオスマンから出たその言葉は、衝撃的でした。彼はガーナにいた時、アクラに行き、ガーナ大学付属病院の野口英世メモリアルガーデンにある、野口英世の銅像と碑を見て、初めて野口先生のことを知ったんだそうです。日本人でありながら、自分たち黒人の命を救う為に命懸けで取り組んでくれたということにとても感動し、日本に来てからずっと博士の故郷福島県にある、野口英世記念館に行ってみたいと思っていたということでした。私は、オスマンのことがあって調べてみて初めて、ガーナのアクラが野口英世博士が黄熱病で亡くなった場所であることを知りました。新しい千円札の顔になった野口英世博士ですが、私も含めて、今、どれだけの日本人が博士の志をほんとうの意味で知り、受け継ごうとしているのでしょうか・・・・・・・・・?
 心優しい私たちの息子オスマン・ボウは今年30才になりました。
 彼はいつも真剣に世界のことを考えています。
                           
                                    田井 順子


 今回、エスペラント語を使うにあたっては、名古屋エスペラントセンターの山口真一さんに大変お世話になりました。インターネットで調べてお電話し、事情を説明すると、さっそくに言葉を翻訳し、発音の仕方まで丁寧に記してファックスで送ってくださいました。それでもやはり発音が心配だったのと、言葉のことでもご相談がしたくて、ご自宅まで押しかけ、ご指導頂きました。お忙しい中、本当にありがとうございました。最後になってしまいましたが、心より御礼申し上げます。
  
                                    PAO COMPANY一同


石垣帆乃香
緒方綾
田井順三

2004年11月19日(金) 19:30
         20日(土) 14:00/19:00
         21日(日) 14:00

                            

 美しい涙を流す人間を見つけ出し、その人間の陰の力になるという使命を
持った妖精。ソフィーは飛び立つ日が迫る中、まだどの人間のもとに行くの
か、決められずにいた。
 美しい涙とは一体何なのか?  飛び立つ前の最後の日曜日、ソフィー
は、ジィージとバァーバのもとを訪れる。
 涙の研究を続けているジィージ。成績優秀だったが、すっかり怒りっぽくなっ
てしまったバァーバ。バァーバの隠された過去とは・・・・・?
 バァーバはソフィーを思い、自分の失敗を語り始め、言い出せずにきたあ
る出来事を打ち明ける・・・。
 ジィージとバァーバから、しっかりとバトンを受け取ったソフィー。
旅立つときは、刻々と近づいていく・・・。二人の思いを胸にソフィーは・・・・・。