「私、あなたに会える方法を見つけました。
　だってどうしてもまたお会いしたかったんですもの。」

「私、あなたに会える方法を見つけました。
　だってどうしてもまたお会いしたかったんですもの。」

「最後に・・・、最後に・・・・・、
　おめぇたちは、どんな時も、一人ぽっちじゃねぇぞ!
　おめぇたちを支えてくれる魂がすぐ側にいる・・・・・。
　・・・おめぇたちみんなも、一冊でいい、いい本に出会えるといいな・・・」

「・・・しんちゃん・・、
　生命って、ほんとうに限りがあるんだよね・・・」

「嘘でしょ・・・!
　そんなのないよ・・・　会いたいよ・・・!
　会って、話したいこといっぱいあるのに・・・・・」
　

「私たちに遺言?

　口述筆記・・・?」

「・・・この透明な幽霊って、
　あなたのことじゃないですか・・・?」

「真の歓びは認識の中に・・・?」

「・・・世界がなんて事は考えていないかもしれないけど・・・
　人を好きになったりする時には、その人が信じられるかどうか
　一生懸命考える・・・・・・・。」

「それで・・・どうだ?
　信じることのできる人間を見つけることは出来たのかい?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・脳は、常に情報を集めているのさ」

「何のために・・・?」

「この世界が信じるにたるものであるかどうかを見極めるためさ。
　そうじゃないかね・・・?」

「・・・後悔しているのか・・・?」

「それは・・・
　みやけんが、伝説のお坊さんの話をしてくれたからよ・・・」

「みやけん・・・?」

「問題は、私がどのようにして
　君の頭、つまり、脳味噌の中に
　入りこんだかということだ。」

「これって、・・・幻覚なの・・・?」

「そうだな。
　お前の想像力が産み出した、私は幻だ。」

「宮田先生が、癌・・・・・」

「伝説のお坊さん・・・・・?」

「かおり・・・?
　・・・うん、元気だよ・・・
　ほんと、久しぶりだね・・・」

「みやけん、元気かな？」

「今まで、ありがとう・・・
　じゃあね、さよなら・・・」

「何で?
　何で今更そんなこと言うの?
　今日だって・・・、一緒に来てくれるって言ってたのに・・・・。」

－　忘れてしまってはいなかったようだな　－

「新たな詩人よ
　雲から光から嵐から
　透明なエネルギーを得て
　人と地球によるべき形を暗示せよ！

　新しい時代のコペルニクスよ
　余りに重苦しい重力の法則から
　この銀河系統を解き放て！
　
　新たな時代のマルクスよ
　これら盲目な衝動から動く世界を
　素晴らしく美しい構成（せかい）に変えよ!」

　　　　　　　　　　（宮沢賢治『生徒諸君に寄せる』より）
　